又吉直樹の本・小説おすすめ5選｜又吉直樹がおすすめする本も

お笑いコンビ「ピース」のボケとして活躍しながら、2015年に小説『火花』を発表した又吉直樹。初の著作ながら同作で芥川賞を受賞し、芸人初の芥川賞作家となりました。『火花』が大ヒットした後も、『劇場』、『人間』と話題作を発表し、人気作家の地位を築いています。

「純文学って難しそう」「ベストセラーすぎて手を伸ばしづらかった」…と思う方もいるかもしれませんが、又吉直樹の書く小説はどれも不器用に生きる人にさりげなく手を差し伸べてくれる作風で、悩みを抱える方に特におすすめです。

今回はその魅力を解説しながら、又吉直樹作のおすすめ本をご紹介します。また、読書家である又吉直樹がおすすめする書籍もピックアップしますので、最後までご覧ください。

又吉直樹は、2003年に綾部祐二とお笑いコンビ「ピース」を結成。どこか異世界を感じさせるコントで活躍しながら、2015年に初の小説『火花』を発表し、芥川賞を受賞しました。映画化され、累計発行部数326万部超えの大ヒットとなっています。

2017年には『劇場』・2019年に『人間』と話題作を書き続け、綾部祐二がアメリカ・NYに渡ってしまってからはYouTubeチャンネル「渦」も精力的に更新しています。文学・アニメ・音楽などを語る動画が人気です。

又吉は初めての小説『火花』で、いきなり芥川賞を受賞しました。お笑いタレントとしても同賞の受賞は初の快挙で大きな話題となりましたが、それ以上に『火花』の文学的魅力は多くの人を惹きつけ、読み継がれるベストセラーになっています。

「受賞作だけで消える芥川賞作家も多い」と言われますが、又吉は芸人として忙しくしながらも恋愛小説の『劇場』や青春を振り返る小説『人間』を発表し、次々とヒットさせています。

又吉の作品の一番の魅力は、何と言っても又吉にしか書けない文章にあります。不器用な登場人物の姿は客観的に見れば滑稽で笑えますが、最後まで読むうちに愛おしくなり、涙を誘うはずです。

たとえば『火花』の主人公が憧れる先輩芸人・神谷のお笑いにまっすぐすぎる姿、『劇場』や『人間』の主人公のダメ人間ぶりを笑えて泣ける小説に昇華できるのは、又吉ならでは。日常の風景がきれいに見えてくる描写も読みどころです。

又吉は作家デビューする前から読書家として知られています。過去に「本を読まない日はない」と語っているように圧倒的な読書量を誇り、有名人気番組でも数々のおすすめ作品を紹介しています。

エッセイによれば、中学時代に芥川龍之介の『トロッコ』を読んで読書好きになったそうです。その後、国語便覧を頼りに好きな作家を広げていったと読書法を明かしています。

又吉は太宰治好きであると公言していますが、一部で「又吉は太宰治の生まれ変わり説」が流れるほど共通点があります。上京後に初めて住んだアパートが偶然、太宰の家の跡地だったと明かしています。

さらに、又吉のエッセイ『第二図書係補佐』では、又吉の初キスは太宰の命日で、その相手の名前は「みちこ」だったとも書かれています。太宰の奥さんも「みちこ（津島美知子）」でした。生まれ変わり説にも納得です。

又吉作品のファンには、又吉が帯にコメントを寄せた小説もおすすめです。2015年には新潮文庫のフェア「又吉直樹が愛してやまない20冊！」で『一千一秒物語』（稲垣足穂）など20冊にコメントを寄せました。

最近では、後輩お笑いコンビ「EXIT」の兼近大樹が2021年に発表した初小説『むき出し』を帯で絶賛。「優しい眼差しが　純粋な言葉が　誠実な覚悟が　重要な小説を生んだ。」とコメントしています。

有名人気番組で又吉が絶賛した絵本作家であるヨシタケシンスケの絵本もぜひチェックしてみてください。子どもだけでなく大人が読んでも不思議な読後感が楽しめ、哲学的な気づきが学べます。

又吉は番組内でヨシタケシンスケの『ころべばいいのに』を例に出し、絵本内の文章が人生で役に立つと評価しています。特に、人間関係などでネガティブな感情を抱いたときの考え方に影響を受けたそうです。

現在発売されている小説は『火花』・『劇場』・『人間』の3冊ですが、又吉はエッセイや俳句の著作も豊富です。俳句では構成作家・せきしろとの共著『カキフライが無いなら来なかった』、俳人・堀本裕樹との共著『芸人と俳人』などが人気です。

エッセイは女優・のんが表紙の『東京百景』、おすすめ本をたくさん紹介している『第二図書係補佐』などがおすすめです。

又吉直樹の作品を読むなら、電子書籍を利用するのもおすすめです。楽天がサービスを提供するKOBOでは、『火花』や『人間』などのベストセラーから、著名人とのコラボ作品まで数多くラインナップされています。

また、楽天ポイントを貯めたり購入に使用したりできるのも嬉しいポイントです。試し読みもできるので、ぜひチェックしてくださいね。

この記事では、ピース・又吉直樹の小説の魅力や、おすすめ小説をご紹介しました。又吉独特の文体で語られる物語は、読むと視野が広がって、生きるのが少しラクになる作品ばかりです。『火花』・『劇場』・『人間』の傑作3部作をじっくり味わいながら、新作の発売を楽しみに待ちましょう。