柚月裕子の小説おすすめ15選｜映画・ドラマ化された作品も紹介！

生み出す作品が次々ヒットし、今やミステリー界になくてはならない存在となった柚月裕子。映画化された『孤狼の血』のすさまじい迫力に、衝撃を受けた人も多いのではないのでしょうか。ハードボイルドな世界感や繊細な心理描写は、読む人の心を惹きつけます。

「いちばんの謎は人間の心だろう」と語る柚月裕子の小説は人の心情をついた作品が多行ことも特徴です。正義とは何か、真実はどこにあるのか、そう問いながら物語を読み進めることにおもしろさが感じられます。

この記事では、柚月裕子のおすすめの小説をご紹介します。人気のシリーズもの・待望の新刊もご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

デビューから一気に人気作家の階段を駆け上がった柚月裕子。ミステリーやサスペンスを中心に小説を書いています。そんな彼女のプロフィールをご紹介します。

柚月裕子は1968年に岩手県釜石市で生まれます。子供の頃は父親の仕事の都合で岩手県内を転々としていたそうですが、高校卒業時に山形へ転居。現在も山形で生活しています。子供の頃からシャーロック・ホームズなどの推理小説を読んでいたそうで、それが現在の作風に表れているのかもしれません。21才で結婚した柚月裕子の普段の顔は2人の子供を持つお母さんです。

元々小説が好きだった柚月裕子は、子育てが落ち着いたのをきっかけに地元で開催された「小説家になろう」というイベントに参加します。また、タウン誌で記事を書く機会があり、自分の文章が誰かに読んでもらえることへのやりがいを感じ、執筆活動をスタートしました。2008年、40才の時に『臨床心理』でデビュー。この作品はこのミステリーがすごい！大賞を受賞しました。

柚月裕子の小説の魅力は人間味あふれる男臭さ。おしとやかな女性が書き上げているとは思えないほど熱く力強い男の世界を描いています。『仁義なき戦い』の大ファンだというのが頷けるような、ハードボイルドな作品が多く、スリルある世界観は圧巻です。また、実際に起きた社会問題をテーマにした小説が多く、リアリティあふれる描写は心に深く染み渡ります。

柚月裕子の小説は、たくさんありますが、特におすすめなのはシリーズもの。個性あふれるキャラクター・引き込まれるようなストーリー構成が人気を集めています。

佐方貞人は正義を貫く強い信念を持ったヤメ検弁護士です。正義感あふれる弁護士、と聞くと熱い人物を想像しますが、佐方貞人はクールでどこかミステリアス。その掴みどころのないキャラクターにどんどん惹かれていきます。第一章以降は、過去の振り返りで、検事時代の佐方を主人公にストーリーが展開されます。佐方が検事を辞めることになった理由や、亡き父の秘密もキーワードになっています。

この作品は、上川隆也さん主演でドラマ化されています。一風変わった検事、佐方貞人が、ピンチを乗り越えながら数々の事件を解決に導いていく様子が爽快です。松下由樹さん演じる同期検事、庄司真生をはじめとする、仲間たちとのつながりもポイントとなっています。

ヤクザと警察の論争をメインに繰り広げられる男たちの壮絶なドラマ。手に汗にぎるスリリングな展開に、ページをめくる手が止まらなくなります。主人公大上章吾のルールを無視した破天荒なキャラクターは衝撃的ですが、読み進めるごとに、応援したくなるのが不思議です。物語の舞台である広島の鮮明な描写や、広島リアルな業界用語も物語を盛り上げてくれています。

孤狼の血は2018年に役所広司さん主演で映画化、その後松坂桃李さん主演のオリジナルストーリーのLEVEL2が公開されました。暴力的なシーンも多いことからR15に指定されていますが、原作さながらの迫力は圧巻。ミステリー要素も強いのでヤクザものが苦手な人にもおすすめです。また脇を固める豪華キャストも見どころとなっています。

柚月裕子の小説はどのように選んだら良いでしょうか。特に初めて読む人は迷ってしまうこともあります。ストーリーの長さ・受賞作品など、小説を選ぶポイントをご紹介します。

柚月裕子の小説は、長編・短編ともにたくさんの作品があります。胸が熱くなるような長編ミステリーを楽しみたい人には『慈雨』や『盤上の向日葵』がおすすめです。また、『合理的にあり得ない』は美人弁護士がありえないような依頼を解決していく痛快ミステリー。さらっと楽しめる作品です。

『あしたの君へ』は家庭裁判所をテーマにした短編小説。家庭調査官である主人公が、相談者を救うために葛藤する姿に心を揺さぶられます。

衝撃のデビューを飾った『臨床心理』は第7回このミステリーがすごい！大賞を受賞しています。臨床心理士である主人公と色で人の感情がわかるという「共感覚」を持つ少年が繰り広げる医療ミステリー。障害者施設が抱える闇に切り込むこの作品は、深く考えさせられます。

第5回徳間文庫大賞を受賞した『朽ちないサクラ』はストーカー殺人事件を題材にした小説です。サクラがもつ意味とはなんなのか？後半の意外な展開にドキドキが止まらなくなります。

柚月裕子の待望の新刊、2022年4月に発売された『チョウセンアサガオの咲く夏』は11のストーリーが収録された短編小説です。ホラー・サスペンス・時代ものなど、バラエティに富んだジャンルで読みごたえがあります。今までにないようなテイストも多く、あらたな柚月裕子を知るきっかけになるかもしれません。

柚月裕子さんの作品を読むと「正義」のあり方について考えさせられます。登場人物の心情に寄り添いながら、胸が熱くなるなるようなミステリーの世界を味わってみましょう。以下の記事もあわせてご覧ください。