【最高傑作】西村京太郎のおすすめ作品10選｜代表作や読みやすい作品も！

ミステリー小説といえば西村京太郎といわれるほど、その名は広く知られています。トラベルミステリーの生みの親と言われており、名作の数々はドラマや映画など数多く映像化もされ、多くのファンを生みました。

西村京太郎が手掛けた作品は650冊近くにもなり、また総発行部数は驚異の2億冊にものぼり、それだけ作品の幅も広く題材もバラエティに富んでおり評価の高い作品も多いです。2022年に逝去されましたが、作品は今後も末永く愛され読み続けられるでしょう。

本記事では、西村京太郎作品の選び方と共に代表作や最高傑作とされる作品も解説します。また多くの作品の中で読む順番などにも触れ、さらにおすすめの作品を10選紹介しますので、今後、西村作品を選ぶ場合の参考としてください。

社会派ものは西村京太郎の初期の作品に見られるジャンルです。作品を執筆し始めた1960年代に手掛けたジャンルであり、同時期に松本清張も同ジャンルの作品を多数執筆しています。

このジャンルは当時の社会状況を反映し、注目されていた事件や事柄を題材にしたリアリティの高い作品が多いです。作品の中では「天使の傷痕」がこのジャンルに当たり、最後に思わぬ人物が犯人と分かるという「江戸川乱歩賞」を受賞した作品です。

当時の時代背景を感じながらリアルな感覚を味わいたい方に、おすすめのジャンルです。

西村作品の中には、スパイをテーマにして描かれた「D機関情報」という長編小説があります。この小説は西村京太郎自身がベスト1に選出している作品としても知られています。

この作品は1960年代に初期の頃に執筆されており、戦時中の極秘任務にあたる主人公の葛藤や心情がリアルに描かれています。また、スパイをテーマに描かれているので、非常に緊迫感があり当時の社会情勢をイメージしながら読み進められて興味深いです。

クローズド・サークルとは、家やビルの密室などに加えて、孤島や雪山など外界から閉ざされた空間を意味しています。西村作品の中にはこのジャンルのものがいくつかあり、トラベルミステリーとはまた違う面白さがある人気の高いジャンルとなっています。

特にミステリー好きの中にはクローズド・サークルが最もおすすめだという方も多く、作品の中では「殺しの双曲線」・「七人の証人」などの名前が挙げられています。登場人物も限られているため、事件の推理をより深く楽しみたい方におすすめのジャンルです。

ミステリー作家のイメージが強い西村京太郎ですが、歴史小説も手掛けており、その多才ぶりがうかがえます。江戸時代を舞台にした時代長編小説「無明剣、走る」が有名です。阿波藩の郷士宅が襲われ、領内に埋蔵された金塊の在処が隠された掛け軸が盗まれるという物語です。

田村正和主演でTVドラマになり、江戸時代の世相を反映した歴史小説として興味深い筋書きで評判となりました。歴史ものが好きな方におすすめです。

西村京太郎はミステリーの中で誘拐ものの作品も数多く執筆しています。このジャンルはミステリーの中でも非常に綿密につくりこまれており、読者の満足度も高い作品となっています。

西村作品では「誘拐の季節」や「華麗なる誘拐」などがあり、どれも多くの人に長い間読み親しまれています。緻密な設定や西村京太郎ならではの発想を楽しみたい方におすすめのジャンルといえます。

西村京太郎のシリーズ作品の中で最も有名なのが「十津川警部シリーズ」です。1986年の第1作から2022年の最新作まで、短編や長編を合わせて実に多くの作品が執筆されています。読む順番として1作目から最新作まで読んでいくと、警部の活躍ぶりが歴史の流れのように感じられます。

またテレビドラマ化された作品も多く、警部が旅行先で事件に遭遇するトラベルミステリーの要素を含んだ作品も人気となりました。特に「十津川警部 日本縦断長篇ベスト選集」では、北海道から九州まで旅する47の作品があり、日本各地で警部が事件に巻き込まれ見事に解決する手腕が爽快に描かれています。

西村京太郎作品のシリーズでもう一つ人気なのが、探偵左文字進シリーズです。こちらも十津川警部シリーズと同様にテレビドラマ化され水谷豊が主演をつとめ、その名が一気に世間に知られるようになりました。

元弁護士である私立探偵左文字進が難事件を次々と解決する爽快なミステリーは、最後まで飽きさせないという人気の高いシリーズとなりました。探偵ならではの推理や見方を楽しめるおすすめのジャンルです。

消えた巨人軍は、西村京太郎が1976年に著した推理小説で、1978年の9月に日本テレビで連続ドラマ化されました。1976年の日本プロ野球のペナントレースを舞台にした作品で、王貞治さんや張本勲さんといった、誰もが知っている実在の巨人軍選手が出てきます。

ドラマ化もされて藤岡弘さんと水沢アキさんが主演となり、2009年12月にはDVDも発売されています。野球好きの方、特に巨人ファンにはぜひ読んでいただきたい作品です。

西村京太郎の作品の中には、映画化された作品も数多くあります。1964年に刊行された「四つの終止符」は西村京太郎初の長編書き下ろし作品で、1965年と1990年の2回に渡り映画化されています。無実の罪によって獄中で自殺した耳の不自由な青年と、その事件に関わる人々を描いた作品です。

他にも1966年に発表された長編スパイ小説である「D機関情報」も「アナザー・ウェイ ―D機関情報―」というタイトルで、1988年に役所広司主演で映画化されています。第二次世界大戦末期、ヨーロッパへ渡った海軍中佐が軍務遂行と和平工作のどちらかの選択を迫られ苦悩する姿が描かれています。

映像化されている作品を小説で読んでみたり、小説で気に入った作品を映像で見るという、双方向の楽しみ方ができますよ。

「日本推理作家協会」とは、ミステリーと関わりのある作家や評論家・翻訳家・漫画家など、さまざまな文筆のプロが集まった集団で、江戸川乱歩により1947年に設立されました。この協会がその年に発表された推理小説の中から、最も優れた最高傑作に授与される賞が「日本推理作家協会賞」です。

西村作品では、1967年「D機関情報」や1976年「消えたタンカー」1979年「炎の墓標」など多くの作品が候補に上がりました。そして1981年、ついに「終着駅殺人事件」が「第34回日本推理作家協会賞(長編部門)」を受賞しました。その後、氏は第37回、第38回の日本推理作家協会賞の選考委員も務めています。

「吉川英治文庫賞」は、公益財団法人吉川英治国民文化振興会が主催し、講談社が後援している文学賞で、大衆小説を対象とした賞です。2016年に創設されており、文学賞の中でも比較的新しい賞です。十津川警部シリーズは2016年から毎年候補に挙げられており、2019年に遂に同賞を受賞しました。

西村京太郎が初期に執筆していた作品は、今や氏の代名詞ともいえる十津川警部シリーズやトラベルミステリーではなく社会派推理小説でした。当時の時代背景や社会問題を反映した作品は、その当時だけではなく現在も高い評価を受けています。

初期の頃の作品を読むと、西村京太郎の違う一面が見られ、これまでのイメージが一変するといわれるほどです。深く切り込んだ社会派ミステリーを読みたい方は、初期の頃の作品がおすすめです。

西村京太郎は社会派を執筆していた初期から、だんだんとスパイものやクローズド・サークルなども手掛けています。その経緯から生み出されたのがトラベルミステリーです。

中期から後期にかけては、定まった主人公がさまざまなジャンルの事件を解決していくスタイルやシリーズものが定番となっています。奇抜なトリックや驚く様な仕掛けを楽しみたい方はこの時期の作品がおすすめです。

西村京太郎の作品の中には、短編集も多く存在します。人気作品である十津川警部シリーズも短編がたくさんあります。シリーズものとはいえ、1編1編が独立した作品となっていて、それぞれに完結するので、筋書きの中にしっかりとした起承転結があるところも短編の魅力といえます。簡潔なストーリーが多いので、通勤通学時や仕事の休憩時間など、ちょっとした時間でも読める点がおすすめです。

西村京太郎の作品の中で、名作と呼ばれている作品には長編作品が多くみられます。日本推理作家協会賞受賞の「終着駅殺人事件」も長編作品の中の名作のうちの1つです。物語の流れや登場人物や描き方など、小説をじっくりと楽しみたい方には長編がおすすめです。

電子書籍が普及してきた現在でも、紙製の本・書籍を選ぶ方はたくさんいます。子供の頃から本に親しみ馴染みがある方は、このタイプを選ぶ方が多いようです。

紙製の書籍の中でも重厚な本は書棚を飾るインテリアとなったり、また持ち運びする際にはコンパクトな文庫本が選ばれ、鞄にもサッと入れやすい点が人気となっています。さらに1ページずつ読んだ後のしおりの位置で、どのくらい読み進んだのかで分かる点も読書好きのポイントになっています。

スマホやタブレットの普及とともに発展してきた電子書籍。今や電子書籍で購入できる種類も非常に多くなっています。電子書籍の利点は何といっても本と違い収納場所を必要としない点です。

またタブレットやスマホにページ数の多いボリュームある書籍も取り込めるので、手軽に読みたい時に読みたい書籍を表示できる点も魅力のひとつです。移動中や空き時間を利用して読書を楽しみたい方におすすめです。

西村京太郎が手掛けた作品には、一般的に知られているトラベルミステリー以外にもさまざまなジャンルのものが揃っていますね。出版された作品数は小説家の中でもその多さを誇っており、自分の好みに合った1冊が見つけられます。紹介した西村作品の選び方やおすすめの作品を参考にして、ぜひ西村ワールドを楽しんでください。