海野十三のおすすめ小説16選｜短編・長編別の人気作はどれ？

SF・推理・科学小説を多く手がけ、日本SF小説の生みの親といわれた小説家・海野十三。SFといえば海外作品を浮かべがちですが、日本のSF作品でおすすめの作品が知りたい方もいるかもしれません。

海野十三の作品は、優れたSF小説が読みたい方や科学の世界を楽しみたい方におすすめです。昭和初期に描かれたとは思えないほど、豊かな発想力による奇想天外な情景が魅力。科学トリックを取り入れたミステリー作品も多く手がけています。

ここでは、海野十三の読みたい小説の選び方やおすすめ小説を紹介します。いっきに楽しみたい方向けに海野十三全集も紹介しているので、気になる方はぜひ参考にしてください。

海野十三は、1897年（明治30年）徳島県生まれの小説家です。通信省電務局電気試験所に勤務するかたわら、短編の探偵小説を執筆し、機関紙などに発表する生活を続けていました。1928年に探偵小説『電気風呂の怪死事件』で小説家デビューを果たします。

SF作家として知られていますが、本名である佐野晶一や丘丘十郎など複数のペンネームを持っており、電気関連の解説書や科学小説、野球の漫画なども手がけていました。俳句や川柳も発表しており、非常に多才な作家であったことがうかがえます。

地球への侵略をたくらむ火星人と少年の交流を描いた『火星兵団』は、海野十三のSF最高峰ともいえる作品です。謎の火星人や隕石などSFの世界観が存分に楽しめる要素が詰まっています。

また、SF世界を小説で堪能できるほど、臨場感のある描写にも注目。SFが好きな方はもちろん、主人公の少年の火星人に対する好奇心に一緒になって楽しみたい方にもおすすめです。

『千年後の世界』は、主人公の科学者が千年後の世界を見るために冷凍催眠に入り、目覚めたときに見た世界を描いた作品です。短編なので、SF小説を短時間でサクッと読めます。

少ないページ数のなかで、謎の女教授や宇宙戦争といったSF好きにはたまらないシチュエーションが詰め込まれており、戦前に描かれたとは思えない新鮮味のある表現にも注目です。

日本の戦争時代を生きた市民らが綴った日記『敗戦日記』は、海野十三でSF小説以外のジャンルを読みたい方におすすめの一冊です。

特に原爆について詳細な描写があり、戦争のない現代の日本のありがたみを改めて感じさせられます。

海野十三の長編第一作目である『深夜の市長』は、SFと推理が合わさった独特の世界観が魅力の一冊です。国家公務員の卵として働き探偵小説家でもある主人公が、夜の散歩中に殺人事件に遭遇するところから物語が始まります。

昼と夜で雰囲気が一変する都市「T市」を舞台に、主人公がどのように謎解きをしていくのか注目です。また、時代を感じさせるT市のモダンな描写やユニークさも、本作を楽しむポイントでもあります。

『太平洋魔城』は、遭難事件が多発する太平洋上で一体何が起きているのか、海軍の主人公が上司の命令で命をかけて調査する物語です。もちろん単純な調査で終わるわけがなく、さまざまな事件に巻き込まれていきます。

物語のキーである「大海魔」と呼ばれる謎の化け物の正体を突き止められるのか、太平洋を舞台にした壮大な冒険ストーリーが見どころです。

5編で構成された『蠅男』は、主人公の名探偵・帆村荘六の活躍ぶりが楽しめる物語。ワクワクするミステリーSF作品なので、いっきに引き込まれる展開を楽しみたい方におすすめです。

本作は、アクションや恋愛要素も含まれており、主人公のかっこよさやエンターテイメント性を堪能できるのも魅力。海野十三の高い発想力がわかる作品です。

『獏鸚』は戦前に描かれた独特な雰囲気を持つミステリーに魅力を感じる一冊。奇想天外なトリックやホラー要素のある物語などさまざまな世界観が楽しめます。普通のミステリー小説とは一風変わった小説を読みたい方におすすめです。

また、戦前の作品を感じさせる時代の情景にも注目。レトロな雰囲気ただようミステリーの世界が堪能できます。

海野十三の小説で、映画化された作品は『東京要塞』。海野十三作品でおなじみの名探偵・帆村荘六がスパイに挑戦する物語で、科学やスパイに関する話が楽しめます。ミステリー要素の少ない作品が読みたい方向けです。

海野十三の作品をいっぺんに楽しみたいなら『海野十三全集』をチェックしましょう。『火星兵団』や『千年後の世界』といった代表作や人気作など100作品以上が一冊に詰め込まれています。

海野十三作品をさらに楽しめる挿絵や図解付きなのも嬉しいポイント。海野十三の小説をたくさん読みたいけど一冊ずつ購入するのは大変…と思っている方にもおすすめです。

海野十三の小説は、奇想天外なSF世界やミステリーが存分に楽しめる物語が揃っているので、SF小説好きな方にはたまらない作品ばかりです。日本SFの生みの親といわれている海野十三の小説を読んで、日本SFの頂点ともいえる世界観を堪能してください。

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