【地理B】地理参考書・問題集のおすすめ20選｜共通テスト対策・理系向けも

地理受験を考えている方の中には、日本史や世界史に比べて暗記量が少ないため、簡単に勉強できると感じる方もいます。しかし、そもそも地理で重要なのは暗記力よりも思考力なので、思考力に自信のない方はどうするべきか迷います。

そこで大切なのが、地理の参考書を使った思考力トレーニングです。今回は、自分に合った地理参考書ルートの選び方やおすすめ商品をご紹介します。参考書の購入を考えている方や何を選ぶべきか迷っている方はぜひ参考にしてください。

また、この記事の最後には、地理の勉強方法や、地理の勉強計画の立て方についても紹介しています。こちらも一緒に把握し、地理で効率よく高い点数を取れるようになりましょう。

参考書は本当に必要かと言われると、絶対に必要であるとは言えません。そもそも教科書の内容を隅から隅まで暗記できて、志望校の過去問で十分に点が取れていれば参考書はいらない場合もあります。

しかし、そうでない場合は参考書は十分に買う価値があります。特に教科書の内容がいまいち理解できない方や、知識はあるのに問題がどうしても解けない方は参考書を使えば、より自身の持つ知識を増せたり、問題演習により問題を解く能力を上げたりできます。

地理Aは、主に文化などの地誌学習が中心です。これに対し、地理Bは地誌学習はもちろん、自然地理や人文地理まで加わってくるため、必然的に分量が増えます。さらに、地理Bの方が圧倒的に受験で使える大学も多いため、どちらを学習しようか迷われている方は地理Bをおすすめします。

読み物系の地理参考書は、講義形式でゼロからでも地理を理解できるように分かりやすく説明してくれているので読みやすく、初めて参考書を読む方にもぴったりです。覚えるべき事柄が羅列しているわけではなく、図などで視覚的に分かりやすく説明しているので、知識を応用に繋げやすいです。

地理の勉強を始めたばかりの初心者で、基礎固めからやりたい方や、理系で地理に苦手意識がある方は、読み物系がおすすめです。

教科書系・網羅系とは、教科書のようにキッチリと網羅的に情報が盛り込まれたタイプです。情報量が多いため、ある程度の基礎知識を持っているけれど、知識を補完したい中級者におすすめです。

情報量が多いため初心者には向きませんが、共通点テストや国公立大学の入試で9割以上の点数を取りたい方にはおすすめです。しっかりと読み込めば、他の方が持っていないレベルの知識量を身に付けられます。

資料集・図鑑・地図系は、いずれも詳細な情報が載っているタイプです。他のタイプのように、情報が体系的に整理されているわけではないため、初心者には使いこなせません。

すでに、地理に関する大半の知識を持った上級者が、辞書のように補完的に活用し、必要な情報だけをピンポイントで検索して習得するのに向いています。参考書や問題集を読んでいて出てきた不明点の解決にも役立ちます。

分野別問題集とは、単元や分野ごとに問題がまとめられた問題集です。地理では、知識を覚えるだけでは問題が解けず、その知識を定着させるために問題を解くのが重要です。分野ごとに問題を解けば、その分野のどこが出来ていないかも分かりやすくなります。

ただし、どうしても時間がなくて、かつ、後述の過去問題集・予想問題集を解ける人は、分野別問題集をパスする学習戦略もあり得ます。地理を勉強し始めた時期や、他の科目との兼ね合いで、分野別問題集をどう取り入れるかを検討してみるといいです。

過去問題集は、共通テストや志望校の過去問を数年分まとめたもので、予想問題集は共通テストや志望校の今年度の問題を予備校などが予想して作成したものです。

一般的な地理の問題ではなく、志望校ならではの問題が解けるので、本番での得点力アップに繋がりやすくなります。特に、図・表・地図などから情報を読み取り答えを出す問題に慣れると、得点のアップが見込めます。

そして、過去問題集や予想問題集を選ぶ際には、解説が充実しているものを選びましょう。問題が解けなかったときに解説を読めば、地理で必要な思考プロセスが分かり、地理の思考力強化に繋がるためおすすめです。

参考書を読む目的が明確であると、自分に合ったものが選べます。こちらでは、「基本的な知識の定着を求める」方と「本番の雰囲気を知りたい」方のおすすめを紹介します。

上述の通り、地理では知識を身に付けるだけでなく、それを定着させ、地理ならではの思考力を身に付けるのが重要です。そこで、知識をアップデートさせて、得点力を上げたいなら、分野別問題集がおすすめです。

また、一問一答形式の問題集により、肩ひじ張らずに気楽に知識を定着させる方法もあります。電車の中や、休み時間などに、少しだけ問題を解くのも可能で、隙間時間を活用しやすいです。

本番の雰囲気に慣れる目的で、地理参考書を選んでいる人には、過去問題集や予想問題集がおすすめです。時間を測りながら、集中して取り組むので、本番のペース配分も分かりますし、場慣れするので本番の緊張を抑え、得点も安定します。

また、単純に力試しにもなるので、早い時期に解いておき、今の自分の実力を確認するのもいいです。それが分かれば、あとは自分が何を学べばいいかが分かってくるため、効率的・効果的な勉強計画を立てやすくなります。

これから地理の勉強を始める人は、基本知識の習得がカギとなります。その場合、地理に対する苦手意識や抵抗感をなくすのが重要なので、入門書やマンガから入り、気楽に全体像を把握するのが有効です。

基本知識の習得が一通り済んだ中級者なら、アウトプット中心で進めていくといいです。具体的には、分野別問題集や一問一答形式の問題集など、過去問題集、予想問題集などを使って、どんどんと問題を解いていくのがおすすめです。

難関大を目指すような上級者なら、基本知識の習得のあとに、ハイレベルな応用問題にも取り組みましょう。その際、解説だけを読んでも理解できない場合もあるため、資料集・図鑑・地図なども併せて用いて、疑問点の解消を図るのも有効です。

読み物系、教科書系・網羅系などは、解説が充実しているものを選ぶのも大切です。解説が充実していれば、それ1冊を読み進めるだけで、挫折せずに、必要な基本知識を習得できるからです。

また、問題集に関しても、解説が充実しているもののほうが、問題が解けなかった場合に、不足知識の理解や、思考プロセスの確認などがスムーズに行えます。

ただし、不要な解説まで詳しく載っているものを選ぶと、地理の勉強ばかりに多くの時間が取られてしまいます。他の教科とのバランスを見ながら、地理の勉強に掛けられる時間を考慮し、解説が適度に充実しているものを選ぶのがおすすめです。

2020年度からは、センター試験が廃止される代わりに、「大学入試共通テスト」が導入されました。地理に関しては、大きく出題の傾向が変わるわけではありませんが、やはり共通テストの内容に対応しているものの方が安心です。

地理参考書選びで悩んだら、できるだけ共通テストに対応しているものを選びましょう。

これは、見逃しやすいポイントなのですが、地理参考書選びでは、出版日や刊行日も重要です。なぜなら、地理のうち、特に地誌においては、直近の統計やデータなどが出題されるため、古い参考書ではポイントがズレてしまう場合があるためです。

そのため、できる限り、出版日や刊行日の新しいものを選び、最新の内容に触れながらインプット・アウトプットを進めるようにしましょう。

どの参考書を選ぶのが正解かわからない方には、参考書の著者で選ぶのをおすすめします。特に村瀬哲史の執筆した本は、優しく語りかけるような口調と豊富なカラー図解をベースにしており、地理が苦手な方にもわかりやすい構成となっています、

系統地理とは、地形や気候といった自然環境や、人口や産業、交通といった人間の社会活動に関する内容を扱う分野です。一方で、地誌とは、各地域別に、その歴史や産業などを理解していく分野となります。

つまり、系統地理の方が全体的な内容で、地誌の方が個別の内容となるので、系統地理から学んだ方が頭に入りやすくなります。

また、大学受験では、大まかに言えば、系統地理が7割、地誌が3割くらいの配点なので、系統地理から学んだ方が得点に繋がりやすいです。

参考書などでインプットする時には、暗記はある程度避けられませんが、問題集を使ってアウトプットする時には、その問題の答えを暗記しても意味がありません。

むしろ、その答えを導くために、これまでインプットしてきた情報をどのように関連付けて考えればいいのかを理解するのが重要となります。それが出来れば、その問題だけでなく他の問題を解く応用力もつき、地理ならではの思考力も磨かれていきます。

繰り返しになりますが、地理では、知識を覚えるだけでなく定着し、アップデートさせるのが大切です。単に知識を覚えているだけでは対応できない問題も多いからです。

そして、知識をアップデートするには問題集で覚えた知識を使うのが一番いい方法です。その際、解けなかった問題はもちろん、偶然解けてしまった問題についても、解説をしっかりと読めば、知識の定着・アップデートが進められます。

すきま時間を利用すれば効率的に地理の学習が可能です。暗記が少ないといってもやはり地理にも暗記が必要な分野はあります。そこで活用するのがすきま時間です。

電車移動や授業と授業の合間の休み時間などにできた少しの時間で、地理の用語確認や簡単な一問一答などをすれば一日の学習時間がより増え、貴重な勉強時間の節約ができます。すきま時間を上手く使ってより効率よく勉強しましょう。

まず、大学受験や地理受験における目標を決めるのが重要です。どこの大学に入りたいのか、そのために地理で何点くらい取れる必要があるのかを把握すれば、モチベーションも上がり、勉強量や勉強内容も明確化します。

目標は、他の科目とのバランスで決まります。また、勉強を進めていく中で、途中で変わる場合もありますが、何を目指したいのかの目標を今決められる範囲内で決めておくと、勉強の方向性が定まり、無駄な勉強も避けられます。

高1から地理の勉強を始めるなら、基礎知識の定着に専念しましょう。学校の授業や読み物系の参考書などで、基礎知識を1つずつ覚えていき、それを問題集を通して確実に定着させていきましょう。

問題を解いたあとは、解けた問題や解けなかった問題に関する知識を確認しましょう。そうすると知識が自分の中に定着します。

高1で基礎知識が習得できているなら、高2では問題集中心に学習を進めましょう。そして、解けなかった問題に対しては、資料集や図鑑、地図などを確認して、情報を補っていくのが大切です。さまざまな問題形式に慣れ、応用力をつけていきましょう。

ただし、基礎知識の習得が済んでいない高2生は、そこから始めるのが大切です。焦らずに、自分の学習レベルを考慮して立てるようにしましょう。

高2までに、基礎知識の習得や、問題集でのアウトプットが済んでいるなら、高3では思考力を磨いていきましょう。具体的には自分の持っている知識を思い出すだけでなく、それを使って頭を働かせながら解く問題に対応できるようにしていきます。

ただし、高1や高2で十分に地理を学んで来なかった方は、焦らずに基礎知識の習得などから始めても構いません。自分の現状レベルに合った段階から始めるのが、志望校合格に向けた一番の近道になります。

地理参考書の選び方や、おすすめの地理参考書についてご紹介してきましたが、いかがでしたか。地理の参考書はたくさん販売されていますが、選ぶポイントさえ掴めれば、自分に合ったものが分かり、安心できます。自分に合った地理参考書を選び、地理受験で望む結果を出せるようにしましょう。