藤原伊織の小説おすすめ8選｜文章はまさに匠！『テロリストのパラソル』など

藤原伊織はストーリー展開の巧みさが魅力的な小説家として知られています。代表作として『テロリストのパラソル』『ダックスフントのワープ』『雪が降る』などが有名です。藤原伊織の作品は、これまでにドラマ化された作品もあります。

ほかにも藤原伊織は、『テロリストのパラソル』で江戸川乱歩賞と直木三十五賞をダブル受賞した小説家です。「藤原伊織の小説を読もうと思っているけど、おすすめ作品を知りたい！」といった方も多くいます。

この記事では、藤原伊織の作品の特徴・小説の選び方・おすすめ小説8選・家族構成について・死因について紹介します。これから藤原伊織の作品を読もうと思っている方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。

藤原伊織は1948年2月17日生まれの小説家です。電通に務める傍ら小説を書き、昭和60年に『ダックスフントのワープ』で第9回すばる文学賞を受賞して小説家デビューを果たしました。藤原伊織の文章は「とても端的でまるで海外の翻訳ノベルのよう」と答える方も多いです。

また、知的かつ独特の台詞回しが使われ、皮肉のような言い回しをする場面が見られます。とくに『テロリストのパラソル』はまるでジグソーパズルをしているかのようなミステリーが楽しめる作品です。

『踊りつかれて』は1977年、第4回野生時代新人文学賞佳作賞を受賞した作品です。この作品を執筆した時は、藤原伊織ではなく、藤原利一名義で作品を発表しています。また執筆時は、電通で働きながら小説を書いていたようです。

この作品は、Amazon・楽天などでは販売されておらず現在では見つけるのが難しい作品です。『踊りつかれて』をきっかけにその後もたくさんの賞を受賞しています。

『ダックスフントのワープ』は1985年、第9回すばる文学賞を受賞した作品です。主人公である「僕」が、自閉的な少女・マリの家庭教師を引き受けるところから物語は始まります。

そして、少女の病気を治すために異空間にワープしたダックスフントの物語を始めるのです。少女はそのストーリーに興味を持ち始め、日々の対話で症状は開放に向かって行く様子が描かれています。代表作のほかにも3作品収録されています。

『テロリストのパラソル』は1996年に荻原健一主演でテレビドラマ化された作品です。この作品は、藤原伊織の代表作とも言える人気作品となっています。藤原伊織はギャンブルでかさんだ借金返済のため賞金を目当てにこの作品を江戸川乱歩賞に応募し、見事受賞します。

その翌年には直木三十五賞も受賞しています。このように同じ作品で2賞を受賞するのは史上初と言われており、当時はとても注目が集まりました。

『てのひらの闇』は2001年に舘ひろし主演でテレビドラマ化された作品です。ある会社の課長・堀江は会長である石崎から人命救助の場面を偶然写したテープを渡されます。しかしこのテープはCG合成だと発覚。その後会長が自殺します。

20年前に起きたテレビCMの事故が2人の男の運命を変えてしまう、といったなんとも興味深い展開に読み進めずにはいられない作品です。

『シリウスの道』は2008年にWOWOWOのドラマW枠で内野聖陽主演でテレビドラマ化された作品です。広告業界を舞台にした長編ミステリー小説となっています。

東京の大手広告代理店の営業部副部長である辰村裕介は明子・勝哉といった2人の幼馴染がいました。そして、この3人の間には決して人には言えない秘密があるのです。ミステリー要素が豊富に盛り込まれた作品です。

『雪が降る』は6つの短篇集になっている小説です。具体的には『台風』『雪が降る』『銀の塩』『トマト』『紅の樹』『ダリアの夏』の6篇となっています。1話目と2話目はシビアなストーリー展開になっており、切ない結末です。

人間の悲しさを見事に表現されたストーリーが藤原伊織らしさを感じられます。『トマト』はほっと一息つけるような話になっており、読み進めるにつれて楽しめる作品です。

『ダナエ』は藤原伊織の代表作とも言える作品です。傑作中篇など全3篇を収録しています。広告界と美術界を舞台にした内容となっており、ほとんどの作品において男の感性が色濃く描かれています。

この作品は、ギリシャ神話とレンブランドの絵『ダナエ』に着想を得たといった作品です。過去への悲しみや悔恨をミステリータッチで綴られている作品でもあります。主人公がかっこよく、読んでいて引き込まれてしまう魅力が満載です。

『遊戯』は魅力的な煽り文句が並んでいる小説です。代表作に加えて遺作となった中篇である『オルゴール』も収録されています。ネットの対戦ゲームで出会ったみのりと本間。この20歳の女性と31歳の男性が知り合うところから物語は始まります。

1篇が50ページほどある短篇集となっており、それぞれの短篇が繋がっているので長編集の1章としても楽しめる作品です。また、この作品は第5篇の『回流』で未完となっている作品でもあります。

「読書があまり得意でない」「活字が苦手」といった方には、朗読CDがおすすめです。下記で紹介している商品は藤原伊織の『雪が降る』朗読CD文庫となっています。2枚組になっており、原作の章を参考に内容に沿ってトラックナンバーが入れてあります。

自分の聴きたい章をすぐに聴けるので便利です。

藤原伊織には、真知子といった名前の奥様がいます。子どもがいるかどうかは不明です。奥様は藤原伊織が亡くなった際に、喪主を務められました。

藤原伊織は2007年5月17日59歳で亡くなっており、死因は食道がんです。2005年から食道がんに侵されていると公表していました。

放射線治療などを受け闘病生活を続けながら『シリウスの道』を執筆したと言われています。また奥様によると、東京都品川区の病院で苦しまずに安らかに亡くなったようです。

藤原伊織の作品の特徴・小説の選び方・おすすめ小説8選・家族構成について・死因などについて紹介してきました。藤原伊織はテレビドラマ化された作品も多く、現在でも人気が高い小説家です。上記で紹介した作品を参考に、藤原伊織の作品に触れてみましょう。

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