武田泰淳の小説おすすめ11選|審判や司馬遷・富士などを紹介

武田泰淳は中国に出征した経験を描いた『審判』や『司馬遷』などで知られる、重厚な世界観がおすすめな小説家です。こちらの記事では、武田泰淳の人物の情報やおすすめの小説の選び方について説明します。おすすめの小説の口コミも紹介するのでぜひご覧ください。

2023/08/10 更新

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武田泰淳、百合子夫妻の本、特にエッセイは実に面白い。 百合子さんの本はユニークでユーモアたっぷりで、はまり込んでしまった。

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(前略)読んでいて、舞台の精神病院で登場する登場人物が個性的で深く、どこか演劇的でもあり、 読んでいても私の脳内で映画のイメージに変換してもありありとイメージできたので 誰か作ってくれないかなという思いにかられた。 相変わらず、哲学的で密度が濃い。 ただ、重いテーマなのでそれなりに骨が折れる読書なので、読む人を選ぶかもしれない。

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(前略)アイヌ問題の大きさの前で作者自身が苦悩し、難産の末に生まれた作品である。アイヌ文化保護を唱える研究者の無力さとトンチキ振り、結局は男女間の情欲や嫉妬がストーリーを動かす最も大きなエネルギーとなっていること、そして、そんな当事者達の考えとは全く関係なくアイヌ村をあっさり変えていく巨大資本、といったリアリティはきちんと伝わってくる。この作品の下手なところを挙げるのは簡単だが、じゃあ本作よりも上手にアイヌ問題を描き切った作品があるかというと、今のところ僕は知らない。

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新聞の紹介で本書を読んだ。  武田は江戸時代の東海道五十三次を意識して1968年の百合子夫人の運転で 東海道を旅し、その記録として本書を上梓した。その段階では最新の「東海道五十三次」 であった訳だが、本書を読んだ2020年から振り返ると、52年前の東海道旅行記である。 ある意味「時代の証言」ともいうべき価値があると言える。(後略)

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「殺す」という言葉の表現として「眠らせる(心的な死)」と「バラす(肉体としての死)」を使い分けるあたり、言葉を使うことへの注意深さが研ぎ澄まされている。 主要人物の名づけかたも、自然さを損なうことなく、暗示的である。 微妙な感覚に、唸る。 さまざまな死。「なにかのために」死ぬのだと思い込みたいそれぞれの心理が、切ない。

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商人の道が日本近代に独立してあったわけではなく、政府や軍隊とのつながり、大陸政策その他戦争とも関わって、「志士」的な姿勢との近しさが焦点化された作品集。 「妖美人」での中国ビジネスと革命党の隠微な関係は面白い。(後略)

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(前略)さまざまな登場人物の意志が錯綜しながらも、結局人間の意志を虚しからしめるがごとく世界は進む。ただ進む。泰淳の世界観であろうか。 「人間は意志する、されど世界は進む」のか、「世界は進む、されど人間は意志する」のか。意志と運命の機微を絶妙に描くのが泰淳の真骨頂だと私は思う。

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一部は知っていたのですが すっかり虜になりました。 戦中 戦後も、こんなことあったのでしょうね。 ありがとうございました。

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1950年代の政治情勢が背景にあり、作家本人とその友人たちがモデルと思しき面々が「新中国」やら「革命」やらを語り合う、"政治私小説”という趣向。 特に、複数の登場人物からの軍地=竹内好へのポレミークは読み応えあり。(後略)

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(前略)何をもって犯罪小説とするかだが、犯罪小説読みたさに本書を手に取れば、肩透かしをくらうおそれがある。「女の部屋」「白昼の通り魔」や表題作「ニセ札つかいの手記」が、単なる犯罪小説ですまされるだろうか。一筋縄ではいかぬ傑作である。  武田泰淳は混沌である。坩堝である。底なし沼である。とんでもない作家である。

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いまの中国を見ていても思うのだが、中国という社会には、われわれ島国の小さなヒューマニズムではとても測れない恐ろしい深淵があるようだ。この短編集は、そんな中国の深淵が武田泰淳に乗り移って書かせたのではないかと思わせるような、すごい小説が集められている。(後略)

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