高橋和巳作品おすすめ10選|代表作『悲の器』から最後のエッセイ『わが解体』まで

高橋和巳は10年あまりの作家生活で、数多くの小説や評論・エッセイを残しました。どの作品も時代を直視し、人間と向き合った深い思索に満ちています。半世紀経った今でも読み継がれる、高橋和巳の生涯とおすすめの作品をご紹介します。

2023/08/10 更新

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博学ゆえの知識人ではなく、自己を見つめるがゆえの「戦後知識人の苦悩」を描く名作。本作を含む高橋和巳の著作が繰り返し復刊される所以はそこにある。(後略)

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没後25周年を記念して埴谷雄高、川西政明の監修で発行された。 『憂欝なる党派』と並ぶ代表作、高橋和巳の罪と罰を鬱々と描き出す独特の世界に思わず時を忘れる。(後略)

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いつの世も敬遠されがちな特殊な新興宗教という環境。 その成り立ちと崩れていくサマ。 そしてそこから再興していく光がやっと見えてくるあたりで上巻は終わりますが本当に面白いですね。 十分現代にも通じる普遍的な言葉に満ちています。(後略)

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わたくしは高橋文学のファンだから、ちょっと四つ星はアマイ評価かもしれない。高橋和巳は自ら自分の文学を「インテリゲンチャの苦渋を描いたもの」と定義しているが、その点からすると本作品はまさにそれを正面から描いたものであろう。(後略)

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高校生のときに一度読んだのですが、あらためて読んで見ました。戦後民主主義が少しずつ音を立てて、進んでいく中で、本来国民の意思を反映させるべき政治に疑問を持ち、大学の自治を求めて揺れ動いた時代、この主人公は本来あるべき理想の姿を描いてはいるが、それが容易に実現できないこともわかっている。(後略)

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『文学の責任』は高橋和巳の立脚点を明らかにしたもので、エンターテイメント主流の現代の文学界とは径庭の感があります。科学・哲学・政治学・経済学など様々な学問がこの世の中に寄与していますが、文学に何が出来るか、文学の責任とは何かを論及したもので、高橋和巳の根幹を成す考えや覚悟を知るにつれ、文学=知的な楽しみという図式とはかけ離れた、人間がこの世を生きるための深い思慮としての本来の使命を認識させられます。(後略)

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小説よりも評論の方が良いと評される中で、この評論はとりわけ深く印象付けられました。文学者としての思想と行動で常に誠実に、且つ悲壮なほどに傷つきながら生きた高橋和巳の「はらわた」を見る思いがします。(後略)

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高橋の苦悩がつづられている。 高橋和巳と三島由紀夫が好きである。二人の作品は全部読んでる。高橋は左翼、三島は右翼と分けられるけど、二人は旧知の間柄であった。それが分かると思う。二人が生きていれば現在の日本をどう感じるだろう。

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