原田ひ香の小説おすすめ20選｜『ランチ酒』シリーズが人気！ドラマ化作品も紹介

お家時間に読書をする方は、どんな本を読むか考えるのも楽しみの1つです。小説の中でもお家時間にぴったりなのは原田ひ香の作品です。原田ひ香の小説には食べ物に関するジャンルも多く、家にいながらグルメを楽しんだ気分になれます。

実際にあるお店も登場するなど、おでかけのきっかけにもなります。食べ物の描写もリアルと好評で、お家ごはんに悩んだ時も献立の参考にもぴったりです。食ジャンルの他にも人間ドラマやお金・老後の話など深い話も数多くあります。

難しくシリアスな内容なのに、どこかコミカルで読みやすい原田ひ香の作品。今回は数ある作品の中でもおすすめな書籍を紹介します。ランチ酒などの代表作たシリーズ化・ドラマ化されたおすすめ作品があるので、参考にしてみてください。

本名は中村比香で、偶然であった姓名判断をするタクシー運転手さんに勧められた「原田ひ香」で活動をしています。読み方は「はらだひか」です。家族の人間ドラマ・食について・お金についてなどさまざまなジャンルを生み出しています。

原田ひ香（はらだひか）は、1970年生まれで神奈川県出身です。大妻女子大学の文学部日本文学科を卒業後、秘書の仕事を経験し、29歳で結婚しました。結婚後、夫の転勤で北海道の帯広市に引っ越しました。

原田ひ香は、以前から家にいながら書く仕事ができたらと考えていました。そのため、ネット検索を駆使して独学でシナリオの書き方を学び始めました。最初に書いたシナリオをシナリオコンクールに応募したところ、最終選考に残り、少しずつ小説家としての仕事が増えていきました。

また、名前の響きが似ているため、「原田ひ香さんと原田マハさんに何か関係があるのでは？」と疑問の声もあります。直接の面識があるかどうかは分かりませんが、名前が似ているためお互いに認知はしている可能性があります。

• 2006年　「リトルプリンセス2号」第34回NHK創作ラジオドラマ脚本懸賞公募の最優秀作受賞
• 2007年　「はじまらないティータイム」第31回すばる文学賞受賞
• 2010年　「30年目のブルーテープ」BKラジオドラマ脚本賞入選

その後も数多くの著書があり、シリーズ化・ドラマ化する作品まであります。

原田ひ香の作品はリアリティのある描写が魅力的です。食のジャンルではまるで食べ物が目の前にあるような表現がされています。登場人物のこころの迷いの描写も絶妙です。原田ひ香が想像して書いた作品なのに、実際にあった出来事のように身近な作品が多くあります。

リアルな表現・物語の進行に加え、どんな内容でもどこかコミカルに読めるのも魅力です。内容としてはシリアスなのに、あまり重たい気分にならない描写が多くあります。難しい内容でもすらすら読めてしまいます。

【登場人物】

• 主人公の御厨 美帆(みくりや みほ)24歳の会社員
• 御厨 琴子(みくりや ことこ)73歳年金暮らし
• 御厨 真帆(みくりや まほ)
• 小森 安生(こもり やすお)
• 御厨 智子(みくりや ともこ)

【あらすじ】

• それぞれのライフステージ・生き方でどのように節約してお金を貯めるか。お金の使い方や稼ぎ方などの違いを考えさせられる内容です。奨学金の返済や定年後の暮らしへの不安など、多くの方がぶち当たるお金の悩みに焦点が当てられています。

中公文庫から出版された『三千円の使い方』。お金をどう貯めて、どう使うのか、知識を深めながら節約の方法を身に付けられる一冊です。

【登場人物】

• 一橋桐子、未婚の76歳

【あらすじ】

• 両親の介護に追われ結婚もできなかった桐子。同居していた親友も無くし、年金とパートで細々と暮らしています。このままだと孤独死して人に迷惑をかけてしまうと考え始めます。そんな時刑務所で高齢受刑者が介護されている姿をテレビで目にします。

それを見て桐子は刑務所に長く入れる犯罪は何か考えます。万引・偽札・闇金・詐欺・誘拐・殺人など人に迷惑をかけない犯罪はないか考えながら、出会う人々に助けられながらタイトルとは裏腹にコミカルに進むお話です。2002年にドラマ化した『一橋桐子の犯罪日記』の原作なので、ドラマを見た方にもおすすめです。

【登場人物】

• 犬森祥子。見守り屋の仕事をしており、仕事終わりにランチとお酒を楽しむ。

【あらすじ】

• 祥子はさまざまな内容の「見守り」の仕事をしています。昼から夜まで眠らずに子ども・ペットなど依頼されたものを一晩見守ります。そんな仕事で出会った人達や自分の事などを、仕事終わりにランチとお酒の描写を交えながら語られます。

短編集でサクッと読めるのも魅力です。実際に存在するお店も登場し、物語の他にも楽しめる要素があります。3シリーズあり『ランチ酒』『ランチ酒　おかわり日和』『ランチ酒　今日もまんぷく』と順番に続きます。

【登場人物】

• 留希子。SE兼料理研究家

【あらすじ】

• 留希子は実家である老舗料理学校の後継者になるのに抵抗し家を出ます。しかし料理が好きなのは変わらず、アプリでレシピ発信するなど料理研究家として働きます。日々レシピ紹介をする中「生姜焼き」のレシピを発表すると、実家と揉め事が起こります。

実家で慣れ親しんできた生姜焼きの味のルーツ、料理学校の歴史を遡っていく物語です。家族愛の他にも、今食べている料理にも歴史があるんだと興味も湧く作品です。

【登場人物】

• 内田りさ子
• 池内泰弘　りさ子の元夫で裕福な家庭生まれ。
• 藤本亮　定食屋の店主
• 相場　不動産屋の社長
• 菅　りさ子の同業者

【あらすじ】

• りさ子は結婚し夫のすすめでカルチャースクールに通います。そこで出会った男性と関係を持ち、それが夫に知られ離婚します。その後、家を探しているときに相場の不動産屋に出会い、ロンダリングの話を持ち掛けられます。

事故物件を転々と回るりさ子が出会った人たちとの交流で、人生を再生・成長していく姿が描かれています。続編として『事故物件、いかがですか?東京ロンダリング』『失踪.com東京ロンダリング』も出版されています。

【登場人物】

• 吉川美羽　大学生
• 新井莉奈　専業主婦
• 石井愛華　会社員
• 都築さとみ　家業手伝い
• 内藤拓也　会社員
• 後藤弓香　会社員

【あらすじ】

• 6人の登場人物にそれぞれ届く母親からの小包を、6つの短編で描かれています。上京を反対していた母からの小包・実家から届いたと偽った小包・亡くなった父に毎年贈られていた小包など、主人公それぞれに違った小包が届きます。

小包の中身は何なのか、何を思って詰め込んだものなのか。タイトルからは小包をけなすような内容かと思いきや、小包の送り主からの愛情を感じ取れる作品で心温まります。

【登場人物】

• 三女・朝日　6:00～11:00に喫茶店営業
• 次女・まひる　11:30～14:00に讃岐うどん屋営業
• 長女・夜月　19:00～26:00にスナック営業

【あらすじ】

• 商店街でお店を営む三姉妹は周囲から三人屋と呼ばれています。それぞれの時間帯で変わっていく料理と商店街・常連客との関わり合いが楽しめる人間ドラマたっぷりの物語です。朝のトーストやランチのぶっかけうどん、夜は分厚いふろふき大根などグルメも楽しめます。

男女関係の話が多いので、恋愛小説が好きな方も楽しめる作品です。シリーズとして『サンドの女　三人屋』があり三女の朝日が就職し、次女のまひるが朝から昼までの営業をはじめます。引き続き癖のある常連客たちとの人間ドラマが見られる小説です。

【登場人物】

• 北沢藍
• 藍の母
• 藍の祖母
• 馬場美代子　藍の実家の隣に住む幼馴染

【あらすじ】

• 実家には母と祖母が暮らしているが、ある日母が祖母を刺し留置場、祖母は入院していると聞きます。藍は不倫の末に離婚し、母の保釈金を捻出し実家に戻り3人での暮らしをスタートさせます。隣の家の幼馴染の美代子は母・祖母を看取り、祖父の介護中です。

親孝行の娘と言われる美代子にも驚きの秘密があります。貧困・介護など現実でも問題になっているジャンルがテーマです。小説内には衝撃的なシーンもあり、タイトルに書かれる「DRY」の本当の意味はこれなのでは・・・と感じさせられます。

【登場人物】

• 里里　シングルマザー
• 朋子　里里の母
• 加寿　里里の祖母
• 晴美　女性を助けるNPO法人の代表

【あらすじ】

• 里里の元に疎遠だった母から分厚い封筒が届きます。そこに入っていたのは男と駆け落ちして心中したと教えられていた祖母の家計簿でした。戦時中の家計簿の空欄部分には日記も書かれています。朋子が置いて行かれた原因や加寿の朋子への愛情も見られる日記です。

この家計簿を通し、里里が冷たい人間だと思っていた朋子との確執が少しとけていきます。里里自身も子育てへの悩みも和らぎます。世代を超えた女性たちを繋げ、人生の転機のきっかえを得る物語です。

【登場人物】

• 神戸美菜代
• 成海慶介　復讐屋

【あらすじ】

• 神戸美菜代は男に騙され会社をやめ、凄腕の復讐屋の成海慶介の元に押しかけ秘書として働きだします。復讐を果たしたい人たちが次々と訪れ、依頼を引き受けていきます。復讐屋から想像するような難しい内容ではなくコミカルに読める作品です。

復讐よりこの先の人生をどう生きるかを前向きに考えたくなります。シリーズ化を望む声も多い、楽しい内容です。

【登場人物】

• 池内胡雪　ベンチャー企業で働く30歳
• 筧みのり　家政婦

【あらすじ】

• 池内胡雪が働くベンチャー企業は超多忙で、社員たちはみんな食事も疎かになり不規則な生活を送っていました。そんな生活を改善すべく社長が家政婦・筧みのりを雇います。社員たちの悩みと共にでてくる筧さんの素朴な料理が好評です。

表紙の目玉焼きにつられて読み始める方が多く、ほのぼの系かと思いきや予想外の展開が待ち受けています。人間関係の複雑さと心を癒す料理を楽しめる作品です。

原田ひ香の最新刊は2023年10月12日に発売された『喫茶おじさん』です。

主人公の松尾純一郎は、早期リタイアして現在無職で再就職の見込みもなく、趣味も持っていません。そこで彼は喫茶店巡りを趣味にしようと考えました。東銀座・新橋・学芸大学・アメ横・渋谷・池袋・京都などを巡りながら、コーヒーとその店の味を楽んでいます。

松尾純一郎は以前、退職金で喫茶店を経営していましたが、半年で閉店してしまいました。仕事や老後、家族関係など、彼は多くの問題を抱えながらも、喫茶店巡りを続けていく物語です。喫茶店巡りが好きな方や、美味しそうなコーヒーや料理をリアルに描写する巧みな文章を読みたい方におすすめの一冊です。

読書メーターで読書記録を残すのもおすすめです。本を「読みたい本」「積読本」「読んでいる本」「読み終えた本」の4つのフェーズに分けて管理・記録ができます。その内容をグラフで視覚化し、他の読書家と共有もできるので、気になる方はぜひチェックしてください。

kindle（キンドル）はamazonが提供している電子書籍関連のサービスです。24時間本の購入ができるので、本屋さんの営業時間やお休みの日に振り回されずに原田ひ香の最新刊が購入できます。また書籍の購入より価格も抑えられるため、シリーズものも買い揃えやすいです。

専用端末の他にもスマホ・タブレット・パソコンで書籍を楽しめ、場所を選ばず読書できるメリットもあります。自宅に本を置くスペースが取れない方にもkindleはおすすめです。

原田ひ香の作品は身近なテーマが多く、とてもリアルなのが特徴です。読んでいて感情移入してしまうものも多くあります。またシリアスな内容でもすっと受け入れてしまうコミカルさもあり、後味もすっきりします。原田ひ香の独特な世界感をぜひ体感してみてください。こちらもあわせてご覧ください。