濱嘉之の小説おすすめ10選｜警視庁情報官シリーズ・片野坂彰シリーズの口コミも紹介

最近は警察の内外を描いたドラマや小説がとても人気ですが、「これってホント？」と疑うような演出をよく目にしませんか。せっかく世界観にのめり込んでいても、楽しい気持ちを削がれてしまうことはしばしばあります。

元警察官の濱嘉之が書いた警察小説は、このあたりのモヤモヤを感じさせないリアルな目線で描かれています。濱嘉之はシリーズものの警察小説をいくつも手掛けており、それぞれが違う切り口で読み手を楽しませてくれます。

今回はリアルな警察ものを読みたい皆さんに、濱嘉之のおすすめ小説をご紹介します。人気シリーズについての解説もしていますので、この記事を読んで気になった小説はぜひチェックしてみてください。

濱嘉之は中央大の法学部を卒業後、警視庁で警察官になりました。警備や公安などで22年勤め上げた経歴をいかし、2007年に小説家としてデビューします。ほとんど休まず精力的な執筆活動をして、『世田谷駐在刑事』や『犯罪科学分析室』がテレビドラマとして放送されています。

小説の執筆にあたり濱嘉之は「うそのない作品をつくる」と言っているとおり、自身の経験からくる膨大な知識をもとに練り上げられたリアリティのある作風が特徴です。

デビュー作である警視庁情報官シリーズは、警視庁の秘密組織「情報室」に所属する主人公・黒田がさまざまな事件をとおして巨悪と対峙するストーリーです。シリーズ自体は2019年に第7弾となる最新刊『ノースブリザード』が発表されています。

警察の組織としてのつくりや外部とのかかわり方がリアルに緊迫感のある場面として描かれます。巨大な宗教団体についての描写があり、トレンドを押さえたいひとにもおすすめです。

『オメガ』シリーズとしても知られる警視庁諜報課・榊冴子シリーズは、美貌の捜査官である榊冴子が諜報員として活躍するストーリーです。実際には存在しないとされる諜報課ですが、「本当は存在するのでは？」という感想が飛び出すほどの情報量で描かれています。

サクサクと話が展開していくテンポ感に、最後までドキドキしながら読み進められます。世界にひそむ悪意をあばくという痛快さもおすすめポイントです。

監察係である主人公・榎本が「警察内部」の不正をあばき、権力とたたかう作品です。「ヒトイチ」は舞台の警視庁「人事一課」を読み替えたもの。警察が警察を追う、というジャンルは近年ドラマでも見かけます。

相手を追い詰めるまでの独特の緊張感がクセになる作品で、警察内部の裏金や汚職、パワハラまで事細かに記述があり、内部事情に詳しい濱嘉之ならではの描写がたくさん見られます。リアルなドロドロを垣間見たいひとにおすすめです。

院内刑事シリーズは、政治家も利用する大病院で働く元公安の廣瀬が主人公です。廣瀬は脳梗塞で運ばれてきた要人が何者かに毒を盛られたと気づき、秘密捜査に乗り出す…という病院に関わる陰謀を描いた作品です。

大病院といえば陰謀や裏切りがはびこる舞台としておなじみですが、公安OBの目線で描かれる作品は他であまりみません。公安出身である濱嘉之ならではの切り口で描かれるリアルなストーリーにおもわず唸ってしまう1冊です。

警視庁公安部・片野坂彰シリーズは濱嘉之お得意の公安シリーズですが、日本国内にはびこる国際的な陰謀と対峙する事件が多く描かれており、スケールの大きさと独自のリアリティが特徴の作品となっています。

シリーズ最新刊『群狼の海域』は2022年4月に出たばかりで、いま一番ホットなシリーズです。警察官だった濱嘉之の「日本人を守る」という正義感や気概を感じることができ、胸がアツくなる作品です。

隠蔽操作シリーズは、テレビ朝日やTBSで何度もドラマになったことでおなじみの小説です。作家の今野敏は2018年で作家生活40周年を迎えた大ベテランです。2005年にスタートしてから最新の単行本『隠蔽捜査9』が2022年1月に発刊されています。

それまでの現場重視な警察小説とは異なり「キャリア官僚の活躍」を描いた作品で、そのクオリティは過去に4度文学賞を受賞するほど。主人公・竜崎の正義感と葛藤が克明に描かれています。

こちらもテレビドラマ・映画と何度か映像化されている作品です。シリーズ1作目『ストロベリーナイト』のタイトルで人気を博しました。主人公で女性警部補の姫川玲子がチームを率いて、立ちはだかる難事件を解決していくストーリーです。

現在まで10作リリースされている今作品は、女性警官が活躍する警察小説として高く評価されています。短編をおり混ぜる読みやすい作風で、ページをめくる手が止まらない作品です。

手に汗にぎる警察小説は、警察OB・濱嘉之ならではのリアルな描写で楽しむのがおすすめです。各シリーズはどこから読んでも面白いですから、おすすめから気になったものをまずは手に取ってみましょう。

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