尾崎翠のおすすめ小説6選|昭和の恋愛小説が現代で再評価!口コミもあわせて紹介
大正から昭和にかけて活動しており、繊細な乙女心を書くのを得意としていた小説家、尾崎翠をご存知ですか?尾崎翠の小説は近年、再評価が進んでいます。この記事では、尾崎翠の生い立ちや魅力、人気小説をご紹介します。おすすめ小説6選も、ぜひチェックしてみてください。
2023/08/10 更新
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尾崎翠の全体像が見渡せるような、よい編集ぶりに脱帽する. 小説集としてだけでなく、翠入門書としても充分楽しめるだろう。感性が豊かな(豊かすぎて本人は苦しいかも?)翠の世界を堪能できた. ただ「第七官界彷徨」が断片なのが満足できない. 全部読んでみたいけど、なかなか手に入らないみたいで、もどかしさが募った.
私はこの本で尾崎翠さんを知ったんですが、読むなり「こんな作家がいたのかー!!」とかなり驚いてしまいました。本当に心に染み渡ります。あんまり一般に知られていないのが勿体無い!!!装丁もとてもすっきりしていて読みやすいのでおすすめです。初めての人は驚き、知ってた人は納得間違いなし。ぜひ読んでみましょ~♪
この作品は とても不思議な作品であり、一度目は微妙な感覚を受け二度目は面白いと思うようになり三度目には世界観に浸っている自分がおりました。 第七官界彷徨というのは作品の内容ではなく、読み手の脳内で行われる事ではないのかと思いました。 読めば読むほど味の出る書物であります。
一読してとにかく驚いた。話には聞いていたが、凄い作家が居たものだ。安部公房に極めて近い匂いを私はこの作家に感じているが、この作品は1931年のものなのだ。一種異様な閉鎖的な場所で、小さな世界にひどく深く沈みこんでゆく様子は、寧ろ埴谷雄高に一層近いかもしれない。 思えば彼女は、カフカとほぼ同時代の人間なのだ。しかしつくづく、彼女の活動期が極めて短いことが惜しまれる。ここから花開くべき文学の宇宙もあったろうに、それは「何か」によって未然に立ち消えてしまったのだ。 今、彼女の作品に触れることのできた、その幸福なめぐり合わせに感謝する。
昭和5、6年の「尾崎翠の世界」の集大成というべき「第七官界彷徨」から続く小野町子のシリーズのような独自性のある作品群は、この下巻にはありません。 しかし、彼女の作家活動の初期の素直な作品が、いろんなジャンルに渡って揃っています。その中には、先の作品の芽生えのようなものが所々で感じられます。 中でもチャーリー・チャップリンについて書いた「杖と帽子の偏執者」を読んでみると、何となく彼女の世界の本質と共通性が見えてくるようです。ユーモアとペイソスの綯い交ぜた作品です。初期の作品に見られる叙情性に軽さを持ち込み新たな作風を生み出したような気がします。後に筆を置いた後も、獅子文六や北杜夫の作品を求めたのも、それに通じるのかも知れません。
川端康成の「白い満月」は、 小説家と思われる主人公の遠くにいる姉妹への 目線と、近くにいる女中への目線の違いがが浮き彫りにされる。 いずれも愛がテーマである。 ヴァージニアウルフの「壁の染み」は、 蝸牛のことを壁のしみと思って、その染みからさまざまな人間について の思考をしていく。そのことを延々と書いたある意味すごい、妙な、小説。 最後に蝸牛だと気づいて終わる。 尾崎翠の「途上にて」は、ちょっと複雑で紹介するのが難しいが、 1930年代の知的女性の知的日常のエピソードを書いた、古きよき 日本のある種幻を見るような小説とでもいっておきましょう。 ちょっとした1930年代の大正ロマン?を感じます。